うつ病は、脳卒中やITてんかんなどの病気とともに、IT業界で活躍するシステムエンジニアがなりやすい病気の一つだ。特に働き盛りの30代や40代のエンジニアがうつ病を抱えていることが多く、その原因としていくつか挙げられる。
まず1つ目が、やはり仕事が激務になりやすいことだ。システムエンジニアの仕事は、スムーズに進む場合もあるが、仕様変更や納期の切迫などによりタイトなスケジュールになることも珍しくない。そうした状況の中でさらにトラブルが起きたり、欠員が出たりすることもあるだろう。その度に残業や休日出勤が求められ、ゆっくりと休む暇がなくなってしまうのだ。
2つ目の原因としては、オフィスワークで日光を浴びる時間が少ないことが挙げられるだろう。日光を浴びると、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」という神経伝達物質が活性化する。反対にこのセロトニンが減少すると、うつ病だけでなくストレスや疲労、やる気低下などにもつながってしまうため気をつけなければならない。
そして最後に挙げるのは、他人とのコミュニケーションの少なさだ。システムエンジニアは、上流工程であれば顧客とやり取りをしたり、下流工程を担当するメンバーに指示を出したりと、コミュニケーションを取る機会もあるかもしれない。だが、パソコンに向かうだけで誰とも喋らない日もあるだろう。そうした日々が続くと、情緒面に悪影響を及ぼす可能性がある。
それだけでなく、相談や愚痴などで自分の気持ちを発散しにくい状況にあれば、一人でいろいろと抱え込み、うつ病につながってしまうだろう。